Gurdian紙に投稿されたという、リビアの若者からのとても重要なメッセージの日本語訳。転載自由だそうです。
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Libya is united in popular revolution – please don't intervene
We welcome a no-fly zone, but the blood of Libya's dead will be wasted if the west curses our uprising with failed intervention
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2011/mar/01/libya-revolution-no-fly-zone
Muhammad min Libya
guardian.co.uk, Tuesday 1 March 2011 13.00 GMT
私たちは飛行禁止空域を歓迎する。けれども、もし西洋が不手際な介入によって私たちの蜂起を苦しめることがあれば、死んだリビアの人々の血は無駄になってしまう。
本文:
「僕の代わりにお母さんにさよならのキスをしてあげて、そして彼女に伝えほしいんだ、あなたの息子は英雄として死んだんだよって」僕の友人 アフメト(26)は、彼がトリポリの路上で撃たれた後、すぐさま彼のもとへ駆け寄った人にそう言った。
その2日後、僕の友人、アフメトは病院で亡くなった。まさに、彼が言ったように。
背が高くて、ハンサムで、おもしろくて機知と知性に富んだこの若者はもういない。もう二度と僕の電話に応えることもない。時は彼のフェィスブックのアカウント上で永遠に静止したままだ。
彼が撃たれる一時間前、僕は彼に電話をした。彼は意気盛んだった。彼は僕に、トリポリの中心、グリーン広場にいること、そして今自分たちは自由なんだと話した。それからすぐ、電話回線の調子が悪くなり、僕はまるまる2日間彼と連絡が取れなかった。
ア フメトの親友が僕にこの悲痛なニュースを打ち明けたのは、僕が彼に電話をかけた時だった。彼は、いまから皆でアフメトを埋葬するところだと言った。僕は墓 地に駆けつけたが、着いたのははちょうど埋葬が終わった後だった。そこで、何人かの友人達に出会った。彼らは地面のある場所をさして、そこにアフメトが 眠っていると言った。僕らは互いに抱き合って、ただ、胸が張り裂けんばかりに泣いた。
あなたが、ここ数日のトリポリから聞くことができる話は、ほとんどがこのような話だ。そして、それはあなたの今いる場所では決して想像もできない話なのだ。
あなたが、生後6ヶ月の子供が殺されたという話を聞いた時のように、あなたはサイーフ・アルイスラム・カダフィが主張した「暴力行為など少しも起こっておらず、全てアルジャジーラの作り話だ」という言葉が本当であってくれたらと心底願い、そして、この幼い子供が母の腕の中で今やすらかに眠っていてほしいと 願っている。また、タジュラ出身の男性が弾丸が頭に入ったまま2日間生き続け、妻と子供を残して死んでいった話を聞いた時のように、あなたは神に向かっ て、どうかこの父親がそこで子供と遊んでいるだけでありますようにと祈り続けている。けれども、数々の写真とビデオ映像が、冷酷な真実を突きつける。泣き叫ぶ声に翻訳など必要ない。愛する人が死の世界へと連れ去られてしまう。あらゆる人類は、その叫び声の意味を知っているのだ。
こ れが、つい最近のトリポリでの生活なのだ。そしてこれが、催涙ガスから逃れる抗議者達を目の当たりにして絶望感に撃ちひしがれている住民達が、トリポリを 「亡霊の街」と呼ぶ理由でもある。街の機能は止まったままで、ほとんどの店が開いておらず、学校、大学も閉まっている。生活必需品を売る店はかろうじてい くつか開いているが、それも2日おきに数時間だけという状態だ。
しかし、このトリポリの荒涼とした光景であってさえも、人々は自分たちがカダフィの支配体制の最後の瞬間を目撃しつつあるという高貴な希望と信念を保ち続けている。この男はもはやリビアを統治していない、彼はもはや、人々に銃を向けているだけの男に過ぎない。
彼の2回の演説、そしてそれ以前の彼の息子の演説は、脅迫以外の何ものでもない。そして、それらはリビアの革命の支持に対して裏目に出ただけであった。
また、カダフィは、さんざん言い立てられたイスラム主義による統治という脅迫を以て、西洋世界に対して脅しをかけたいと考えていた。それに対して国際社会は前例のない国際的合意のもとで、彼に海外渡航の禁止、資産の凍結、彼の体制が犯した犯罪を国際司法裁判所へ付託することを言及したのだ。
すべてのリビア人、たとえ少数のカダフィ支持者達であってさえも、リビアが自由を再び手にするのは時間の問題だと考えている。しかし、ぞっとさせような疑問が以前として残ったままである。すなわち、カダフィが倒れる前に、あとどれだけ多くの殉教者たちが命を落とすことになるのだろうか? この災いの元凶が崩れ さる前に、どれだけ多くの魂をカダフィが奪っていくのか?
けれども、体制崩壊という幸せな結末は、全てのリビア人達が共有しているもう一つの恐れによって台無しにされてしまうかもしれない。それは、西洋諸国の軍隊がこの危機を終わらせるために介入していくる、という恐れである。
誤解しないでほしい、ほとんどのリビアの人々と同様、私は飛行禁止空域を課すことは、体制にあらゆるレベルで打撃を与えるよい手段だと思っている。それはアフリカから呼び寄せられた傭兵を運ぶルートを遮断し、カダフィが金や資産をこっそり持ち出す事を防ぎ、もっとも大事な点として、彼の体制が兵器庫を爆撃することを阻止する。多くの目撃者がそこには化学兵器、そのいくつかは想像を絶するほどの破壊を引き起こすような兵器、が保管されていると主張しいるし、言うまでもなく、カダフィの飛行機はそのような兵器を搭載しているかもしれないのだ。
それにも関わらず、ある一つの事柄に関 して、あらゆるリビアの人たちはその意見を一つにしているように思う。それは、前司法大臣であり、ベンガジの臨時政府の長であるMustafa Abud Al Jeleilが言ったように、いかなる外国の軍隊による軍事介入も、カダフィの傭兵達自身が引き起こしているものより、もっと悲惨な闘いを引き起こすであろうということだ。
私はまた、特定の標的に対する限定的な空爆の可能性について賛成しているわけでもない。今起こっている ことは、あらゆる面において人民の革命であり、そのエネルギーの源はリビアの人々の血そのものである。この革命が始まった時、つまり西洋諸国がリビアにお ける自分たちの利益の損失だけを恐れ、それを無視してきた時ですら、リビアの人々は自分たちだけで孤独の中を戦ってきたのだ。だからこそ、私はこの革命 が、最初に立ち上がった人々によって成就されることを望んでいいるのだ。そう、リビアの人々の手によって。
海外からの介入 の呼び声が高まりつつある今、私は西洋諸国のリーダー達、オバマ、キャメロン、サルコジ達へメッセージを送ろうと思う。これは、あなた達に思いもかけず舞い込んできた貴重な機会である。これはあなた達にとって、自身の目に映るアラブの人々やイスラム教徒の人々への偏見を改めるチャンスなのだ。その機会を台 無しにしてはならない。あなた達が過去に行ってきた西洋と東洋を近づけようとする計画の全ては失敗してきたのだし、そのいくつかをさらに悪化させてしまっ ている。最後まで尻拭いできないような計画などを始めようとするな。人々の純粋な革命を、皆の身に降り掛かる災いへと変えるな。私の為に流がれた友人 アフメトの血を無駄にするな。
私たちはただ、この同じ星の上に住む隣人として生きて行きたいだけなのだ。
ひょっとすると、ある日、私が隣人として、うれしそうに握手を求めて、あなたの家の玄関に現れるかもしれないのだから。
訳:PROS (江上賢一郎)-
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