会期 2022年9月17日(土)〜10月2日(日) 13:00-19:00(月曜・水曜定休、20日(火)臨時休業)
会場 IRREGULAR RHYTHM ASYLUM(東京都新宿区新宿1-30-12-302)
入場無料
スペインのアナルコサンジカリズム<アナルコシンディカリスモ/Anarcosindicalismo>は第一次大戦、ロシア革命を経て1923年のインターナショナルの再建を契機に、明確に<反ファシズム>を原則として掲げるファシズムの対抗運動/思想として発展していった。にもかかわらず、アナルコシンディカリスモの一つの到達点である<1936年アナキズム革命>が主として「スペイン内戦」の一部として語られてきたことで、内戦の期間の前後に広がる<反ファシズム運動/思想>としての側面が見えづらくなっている。
世界中で国家の暴走が人々の生活を脅かしている現在において、国民国家の20世紀最悪の暴走形態である<ファシズム>と<戦争>のどちらにもNOを突きつけたアナルコシンディカリスモが目指したものが、現状を変える突破口となるヒントを私たちに与えてくれるのではないか。とりわけ、<反戦>を貫いたアナルコシンディカリスモを<スペイン内戦>という戦争の軛から解放することで見えてくるものがあるのではないか、という期待から本展を企画した。逆ピラミッドの形状を示す「Desde abajo(下から)」というスペインのアナキズムの重要なテーゼに従って、最も小さな革命、歴史の遥か彼方に忘れ去られていた革命の一つを思い出すことから、反ファシズム運動/思想としてのアナルコシンディカリスモの探索を始めたいと思う。
メインはアナキズム革命に先行する1932年にカタルーニャに点在する鉱山の村々で起きた挫折した革命を扱った展示で、カタルーニャ語のテキストを翻訳したものに解説をつけて紹介する。現地では90周年を記念して人口6000人ほどの鉱山の町スリア(Súria)で企画された。その試みは近隣に広がり、各町の歴史に合わせて展示の内容を変化させながら、周辺の町々を巡回している。鉱山の町の郷土史の一部として語られているため、アナキズムに興味がなくても「より公正な世界」を求めた民衆の物語として楽しめる内容になっている。
また、スペインではアナキストの大きな特徴一つが<書物への愛情>であり、「書物を愛さない者はアナキストではない」と言われるほどに、歴史を通じて印刷物の収集と制作に並々ならぬ情熱を傾けた。<書物が語る歴史>を垣間見る試みとして、富士宮にあるアナキズム文献センターの蔵書の中から、アナルコシンディカリスモに関連する書籍を展示・紹介する。
アナルコシンディカリスモの世界への導入となるように内容を補足した今回の展示が、反ファシズム、さらには反戦の実践/理論としての革命を思い描く一助になれば、主催者としては喜ばしい限りだ。
リュイス・ガルテ監督『Caracremada (2010)』上映会
2022年9月24日(土) 18:00〜20:00
入場無料
1920年代から40年以上に渡って反ファシズム闘争を継続した「カタルーニャ最後のマキ(反フランコ山岳ゲリラ)」こと、CNT組合員ラモン・ビラ・カップダビラ(Ramon Vila Capdevila 1908-1963)を扱った映画。1951年CNTが武力闘争撤退を決めた後も、一人で山に残ってサボタージュによるゲリラ闘争を継続した彼の最期の日々を、ピレネー山脈の裾野に広がるカタルーニャの<プレピレネオ>の雄大な風景とともに描く。
注)日本語字幕版が存在しないのでカタルーニャ語オリジナル版での上映となります。ほぼセリフなしのイメージフイルムのような作品なので、冒頭でのストーリーの解説後に字幕なしで上映します(上映時間98分)。
主催 イベリア書店/かっぷだぽるく
協力 アナキズム文献センター
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