レイナさんに納品してもらった本「Titanic Made by Lapindo」の、日本語での紹介。本は英語なのですが、この紹介文だけでも読んでもらって、シドアルジョに注目してもらえたらありがたいです。
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グス・マクサム氏の著書「Titanic Made by Lapindo」は、工業泥災害によって破壊された、インドネシアのシドアルジョに世界の注目を求めます。
2006 年 5 月 29 日、インドネシアのシドアルジョでは何もかもが変わってしまいました。
スラバヤからほんの 30 分に位置し、農民やエビ漁師が暮らすこの地域で、インドネシアの石油・ガス会社、Lapindo Brantas 社は、新資源を狙って天然ガス掘削作業を開始していました。
しかし、その運命の日に掘り当てたのは天然ガスとは全く異なったものでした。Lapindo Brantas 社が、Banjar-Panji のガス田での地下掘削作業中に引き起こしたのは、21 世紀最大の工業災害となる巨大な泥火山の噴出だったのです。現在は「ラピンド泥流」として知られる噴出した火山汚泥は、14 の村を飲み込み、何万人もの住民が行き場を無くしました。この泥流により周囲の生態系は汚染され、インフラも破壊されました。それまで盛況だった東ジャワの経済は壊滅状態となってしまったのです。
果てしなく広がっているラピンドの泥の海
この悲劇の発生以降、被害者たちへの具体的な支援提供が、惨たんたる失敗に終わったインドネシア政府以上に酷いのは、責務を軽視し、それらから逃れるために無慈悲な行動を取った、Lapindo Brantas 社以外に存在しません。インドネシア政府が、責任への怠慢に加担して何もせず傍観している限り、大資産家で政治家の Aburizal Bakrie(事故当時、公共福祉担当調整大臣)が、Lapindo Brantas 社の共同経営者の一人であるという事実が、この露骨な責任逃れが続いてきていることへの説明となるでしょう。
今日、企業の説明責任や環境への責務、また社会的弱者の権利への関心が世界的に高まってきていますが、未だに国際社会はシドアルジョの窮状に目を向けずにいます。この問題が国際社会から放置されてきたが故に、シドアルジョの住民は、住居だけでなく家財も仕事も無く、賠償すら受けられず、自分たちの力だけで生き延びていくほか無いのです。
家を失った住民たちのデモ
著名なインドネシア人の教育者で作家でもあるグス・マクサム氏(Gus Maksum)は、この人的災害の泥流により、彼が住んでいた Jatirejo の住民とともに難民となりました。彼は、この大災害によって引き起こされた、社会的、文化的、または環境的な影響を積極的に訴えて来た人物でもあります。
グス・マクサム氏
「Titanic Made by Lapindo」は彼の実体験記であり、その中で彼は、自治体、環境科学者、報道関係者、“災害観光客“や Lapindo Brantas 社の代理人が群れる様にシドアルジョに集まり、その惨事を利用してどのように利益を得ようとしたか、又、彼らがどのような役割をとったかを暴いています。
マクサム氏は、深い情感や、時にはユーモアを用いて、災害の最初の一年間の容易には信じがたい現実と、社会的、文化的な繋がりを保つ為に苦闘しながらも威厳を保ち、哀しみに直面し、ストレスに晒され、先の見えない喪失感を感じているコミュニティの人々の姿を描いています。
Lapindo Brantas 社によって引き起こされた汚泥噴出事故、及び被害を受けた住民たちによる公正な賠償請求についての情報は、とても限られています。マクサム氏は、この人的な工業災害の存在を世界に伝えることが、シドアルジョの住民と生態系に対して行われている不正を終結させる為の一番の手段だと信じています。
完全に泥に飲み込まれた村
原作は、2007 年にインドネシア語で出版されました。現在、「Titanic Made by Lapindo」は、ジョグジャカルタの非営利出版社 Lafadl Initiatives により英訳され出版されています。
シドアルジョについて、より詳しい情報をお知りになりたい方は、r.rusenko(at)live.com(英語、日本語)またはkantor(at)lafadl.org (英語、インドネシア語)までご連絡ください。「Titanic Made by Lapindo」は書籍、又は電子化書籍形式でご注文いただけます。
Titanic Made By Lapindo (ホームページ):
http://svsl.lafadl.org/en/home.html
Titanic Made By Lapindo (パンフレット):
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Lafadl Initiatives (ホームページ):
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Lafadl Initiatives (パンフレット):
http://bit.ly/dxTXsS
関連記事/番組:
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・ジャカルタ・ポスト(英字新聞)- Four years on, victims still in limbo
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9/14/2010
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