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タイの日本大使館に「日タイ受刑者移送条約」についての質問をしました。
以下読んでください。


私は、タイ・バンコクのバンクワン刑務所内にいる邦人の方々と連絡をとりながら、面会者募集や支援物資を送っている志賀直輝と申します。

以前、領事部邦人保護班の中西さんとバンクワン刑務所の邦人の方についてのご連絡とらせていただきました。ありがとうございました。今回は日本とタイの間で受刑者移送協定についての問い合わせをさせてください。

この協定により、タイ国内刑務所にいる邦人の方が日本に移送される予定ですよね。 そこで、いつぐらいに移送が予定されていますか?具体的な日程は出ていますか?

それから、バンクワン刑務所内のカネキヒロシさんとマツミトシユキさんの
質問なんですが、この協定に則り日本に移送された場合のその後の皆さんの
刑期や処遇はどのようになるのかを切に知りたいそうです。これに関する
資料等があればコピーをバンクワン刑務所に送って欲しいとおっしゃっていました。 もしも添付資料などがありましたら、わたくしにもいただけないでしょうか?

また、カネキさんやタケザワツネオさんは持病をもっておられますが、移送後、病院 や治療などどのような対応がとられるのか不安をお持ちのようです。

どうぞ、返信くださることお願い申し上げます。お忙しいところ、ありがとうございます。 

志賀直輝


---


志賀様

メールを拝見させて頂きました。
私、在タイ日本国大使館で領事をしております小竹と申します。
中西が4月早々に日本へ帰任することになりましたので、私からお返事をさせて頂きます。

ご質問のありました「日タイ受刑者移送条約」ですが、
昨年7月のプーケットで行われました日タイ外相会談の際に条約の署名がなされました。
条約の発効、実施に当たっては、双方の国会での条約の批准が必要となります。
どういうことかと申しますと、条約は署名が行われた後に双方の国の国会で条約の承認手続きが必要となります。
この国会での承認が行われない限り、署名していても条約は実施されません。

日本について言えば、本件条約署名後、最初に行われた昨年の臨時国会では、政権交代がなされ、予算の組み替えなどが行われていたため、本件条約が国会で話し合われることはありませんでした。
外務省としては、現在行われている国会で審議して頂くことを希望しているのですが、 国会次第なので、今国会で本件条約が署名されるか否かははっきり分からない状況です。

いずれにしましても、この国会での承認が行われない限り、条約は実施されないこととなります。逆にいえば、国会での審議が行われ、承認されれば、すぐに実施されることとなります。

志賀さんのメールからは条約が発効されれば、すぐに日本人の受刑者が移送されるような感じを受けますが、そうではなく、まず受刑者自身が自国への移送を希望しなければ、移送は行われません。

受刑者自身が収監されている刑務所(乃至タイ法務省)に移送希望を申し出た後、タイ及び日本で受刑者移送の是非について話し合いがなされます。
その結果、双方の国とも移送に問題なしと結論が出た後、移送が実行されるといった手続きになります。従いまして、移送時期については、各々の受刑者によって異なります。

また、刑期については、裁判国のみが変更できることになっておりますので、 タイで恩赦等の処分がなされない限り、日本に移動しても現在の刑期が日本での刑期になります。

以 上につきましては、私が12月に領事面会を行わせて頂いた際に長期受刑者のみなさまには説明させて頂いております。なお、条約本文にについても昨年9月に 長期受刑者に対して手紙で送付しており、12月の領事面接の際に皆様に本件条約文が届いていない人はいないか聞いたところ、 みなさん受領されているとのことでした。なお、我々も現時点では条約本文しか資料はありません。

今後、主管官庁である法務省が資料を作成するとの話は聞いておりますが、 現時点で資料は出来ていないようです。条約文につきましては、インターネットでも入手できるようですので、ご興味があればご確認ください。 以上取り急ぎご連絡させて頂きます。


以上、大使からのメールでした。

 まず気になるのは、国会次第で、いつ移送されるかわからないという点。さらに、タイの刑期がそのまま、日本の刑期に繰り越されるという点。もしも、タイの刑期が残り20年とか30年だと、日本に移送されても終身刑と全く変わらないって話。
 本当に法律というものはむちゃくちゃ過ぎる。一回ミスったら一生檻の中って。これ、もしもやってもない冤罪で終身とか死刑なんてシャレにならない。この隔離施設と制度なんとかせにゃまずいんじゃないのか。
(志賀直輝)
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