山鹿泰治は1892年(明治25年)、京都で最初の印刷所点林堂の12子として生まれました。
1907年に上京、植字工として働く傍らエスペラントを学び、大杉栄との出会いからアナキズム運動へと飛び込んでいきます。エスペラントによって海外のア ナキストと通信を重ねた山鹿は上海へと渡り、アナキスト・師復とともに秘密出版を行うなど交流を深めていきました。大杉のアナキスト・インター出席の際は 北京にて渡欧旅券調達に尽力、大杉らの虐殺がおこるとエスペラント通信でその詳細を世界各国へと送りました。その後は台湾・高雄、フィリピン・マニラへと 移り住み、海外との通信を継続しながら、私家版『世界語老子』(100冊)を印刷・発行。戦後は戦争抵抗者インター(WRI)などに尽力、68歳にしてイ ンド・WRI世界大会に参加し、その晩年まで国境を越えた交流に努めました。
今回の展示では、故・向井孝が整理し、現在はアナキズム文献センターが所蔵する山鹿文庫から、山鹿直筆の辞書や関連資料・写真を公開するほか、生来 の科学心・冒険心のもちぬしであった山鹿の絵や漫画、旅のスケッチ、DIY精神溢れる『科斈(かがく)ノート』などをご紹介します。
神によらず,国家によらず,われ等のことはわれ等自身で決すべし
Nek dio, nek ŝtato, niajn aferojn aranĝu ni mem!
戦前・戦中・戦後と国境を越えた連帯を続け、エスペラント・アナキズムそしてDIYを実践した山鹿泰治という人の軌跡/一庶民の生きざまを、本展において少しでも垣間みて頂ければさいわいです。
会期:5月24日(土)〜6月1日(日)※月・水のぞく
時間:13時〜20時
入場料:無料
会場:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM
新宿区新宿1-30-12-302|03-3352-6916|irregular@anpal.co.jp
主催:アナキズム文献センター
協力:細谷修平
※5月24日18:00〜 オープニング・パーティー
パフォーマンス:黒田オサム
カンパ制の食事あり
黒田オサム
1931年 群馬生。
1938 子供心に画家になることを決心、紙芝居屋のヨッちゃんに師事
1945 戦后自由な発想によるアバンギャルドな美術、オドリに熱中
1953 カメちゃん等と乞食(ホイト)芸をおこない山谷を中心に底辺をさまよう1988 舞踏家ドンちゃんに見出される
近年、海外のイベントに参加多数。
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