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志賀ちゃん経由イスラエルのミエコさんより。

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ナクバディが近づくに連れ緊張が高まったイスラエル・パレスチナ
イスラエルはテロ国家?!                    
ミエコ

私の住むエイラットの部屋の窓からヨルダンのアカバの港町が見える。景色は穏やかであるが、空上では、連日イスラエル空軍のパトロール機が飛び回っている。

5月13日金曜日、午後の祈りの後、エルサレムのシルワン村でイスラエル軍警察及び入植者対地元市民との間に起きた衝突で、腹部を撃たれた17歳の少年が土曜早朝亡くなった。撃たれた少年の腹部より取り出された銃弾の種類から、撃ったのはイスラエル兵ではなく、シルワン村の入植者を護衛する警備兵あるいは入植者(入植者は武器の家庭保持が認められており、去年シルワン村でユダヤ入植者により撃たれたパレスチナ人が死亡するというテロが起こっている。)による殺害テロではないかと疑われ、捜査が始まった。犯人は未だ明らかにされていない。

エルサレムではナクバデイを控え、緊急事態体制を組んでおり、数日前から既に45歳以下の男性に対し、『神殿の丘訪問禁止令』が出されている。

この日の朝、金曜の祈りに各地から駆けつけたイスラム教徒に対し、エルサレム旧市街への入街禁止令がだされた。ダマスカス門で足止めを食ったイスラム教徒達は、ダマスカス門の外など、各所足止めをされた場所にて、列になり座り込み、金曜の祈りを行った。


(ナクバの日に神殿の丘で祈ることを禁止された人々が閉鎖された場所でいっせいにお祈りをした様子)

5月14日土曜、シルワン村の少年の埋葬式には多くの地元パレスチナ人が押し寄せた。殺された少年の父は、『息子は投石したりするような子ではなかった。家の前で起こっていることを道にでて見ていただけだ。それなのに近距離で実弾で何者かに撃たれた。これはテロだ。』と新聞のインタビューで答えた。

5月15日早朝、エルサレムではテルアビブ方面の主要道路である国道1号線がパレスチナ人のナクバディ・デモ行進隊達により封鎖された。イスラエル警察により短時間で封鎖解除。

テルアビブ市内ではイスラエルに住むパレスチナ人の運転手が暴走し、近くを走っていた大型バスや車両に突撃。1名死亡、17名が怪我をした。犯人はその場で逮捕された。運転手が誰であるか確認される前に、ニュースでは『テロの疑い』と発表。その後事故のあった場所にて、『アラブ人対策訴え』のイスラエル人によるデモが発生した。

一方、ゴラン高原のドゥルーズの村マジダル・シャムスでは、シリア在住のパレスチナ難民達が大勢、国境に押し寄せた。国境に接近したり、塀を越えたシリア人の内4名がイスラエル軍により射殺され、約20人の怪我人を出した。シリアとの国境ではイスラエル軍による攻撃が午後遅くまで続き、今も数百名のイスラエル軍警察がシリアとの国境を固めている。

ガザのエレズチェックポイントでは、国境に近づくことが禁止され、近づいた者の内1名がイスラエル軍の銃撃により死亡。

レバノンではデモ行進隊がイスラエルとの国境に接近できないようレバノン軍が止めていたがイスラエル軍の攻撃により10名が死亡。

エジプトではナクバディを偲ぶ国民が各地に集り、カイロのタハリール広場には大勢の民衆が『パレスチナ解放、難民が自国に戻る用』を訴えるデモが行われた。

西岸地区のヘブロンでもイスラエル軍とデモ行進隊との間に衝突があり、パレスチナ人の投石により兵士1名が怪我。

ガリラヤ湖付近の村ではデモ行進中の6名が逮捕され、東エルサレムでは投石及びモロトブカクテル弾を投げた者を含む36名が逮捕された。

テルアビブでは、イスラエル人の左派による『パレスチナに対する残虐行為反対』デモがあり、右派との間に衝突が起こった。

エジプトのムバラク政権が没落してから、エジプト国民は息を吹き返したようだ。それに勇気付けられた世界のパレスチナ難民達が今日、立ち上がった。今日の出来事で今後イスラエルはパレスチナ人に対する締め付けを更に強化するだろう。周囲のアラブ諸国に住むパレスチナ難民達が今後如何にしてイスラエルと向き合っていくのかが注目される。



ナクバディ その後

皆さん、5月16日ナクバディが終了した今日もまだ緊張状態は続いています。
各地で『石を投げたのではないか』と疑われるパレスチナ人達がどんどん逮捕され、今も軍警察が各地を走り回って捜索しています。

一方、近距離から少年を銃殺した犯人のことは本当に捜索しているのかどうか疑わしいほど、
何もその後のニュースは伝えられず、いつもと同じようにうやむやのうちにもみ消される状態にあります。
全国で約200人のユダヤ系イスラエル人が、イスラエル政府の方針に意義を唱えています。
シリア及びレバノン政府は、デモ隊に対するイスラエル軍の攻撃を非難しています。
今後もいろいろなことが起こりそうです。

63年ぶりにして初めて、国境の柵を破りイスラエル側に入ってきたシリア人たちを昨日のテレビニュースでみて、心が震えました。
シリアに住むパレスチナ難民が昨日2000人ほど国境を破ってきた時の動画を送ります。
国境を破り、イスラエル側に入ってきた難民達が親戚や友人達と抱き合い、再会を喜びあっています。



エルサレムから戻った友人に聞いたところ、金曜日から今日までエルサレム旧市街は完全に封鎖状態にあり、旧市街から一度でると何日も戻れない状態にあったそうです。
そして旧市街のアラブ側の全ての電話回線が停止されたため、誰にも連絡がつかない状態が続いていました。

動画を撮っているのは、イスラエル側に住むパレスチナ人で、『爆弾が埋まっている。危ない。もう止めろ。』と叫んでいます。
これが聞こえなかった難民達が柵を破り走ってイスラエル側に来ます。
そして抱き合って喜ぶ。
このときイスラエル軍による攻撃があり、4名が殺害されました。
難民達は逃げ回り、全員もときた坂を上って柵をくぐり帰って行きました。

とても感動的なシーンです。

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