志賀直輝
11月24日、介護現場と厚労省の交渉がありました。福島、富山、京都、大阪、首都圏、全国各地から介護職員、関係者、労働組合、20名の参加がありました。今回の要請行動には、55団体37名が賛同(11月23日現在)がありました。
12時から厚労省前で介護切り捨てに反対するビラ配りや、介護職員からのアピール行動を行いました。
訪問介護の生活援助がいかに家事代行と違い大切なのか。介護現場は慢性的な人手不足なこと、処遇改善加算が介護職員へ平等に分配されていない実態。大阪府大東市のように、要支援者が介護を使えなくなって重度化している現状を、直接訴えました。
14時からの交渉では、交渉前に「介護保険改悪に反対」、「介護職員の処遇改善」を求める署名を合計2795筆提出しました。
そして交渉開始。
■交渉要点は以下
1、介護保険
①・要介護1、2の生活援助等の専門職による適切なサービスを切り下げるな。
・総合事業(要支援者の訪問介護とデイサービス)見直し
②利用者負担を引き上げるな
③介護職の賃金・労働条件を国庫負担で改善を求める
④介護報酬引き上げ
2、障害者総合支援法
①虐待通報が機能していない問題について
②障害福祉サービス利用者の65歳介護保険へ移行問題
厚労省の担当者に対して、介護関係者が現場の切実な実態を訴えました。
◆生活援助は身体介護と一体的であり切り離せないこと。家事代行との違い、高齢者の命綱になっていること。なので〈生活援助の資格要件緩和〉〈報酬引下げ〉には絶対反対。
◆大阪府大東市の総合事業は、国のすすめる介護切り捨てを先取り。介護認定を受け付けなかったり、介護からの「卒業」を迫り、介護を受ける権利を奪っている。その結果、半年で「要支援1」から「要介護5」に重度化した方も(NHK「クローズアップ現代+」で放映)。これらの問題点を細かく指摘し、厚労省に「大東市を評価しているホームページの削除」と「大東市に対し、被害者への謝罪と制度改善を指導すること」などを求めました。
また各地で問題が出ている―要支援者に対する報酬を下げ過ぎて、要支援者を受け入れない事業所が多いこと。要支援者が行き場を失うことで、重度化に繋がっていること。
◆訪問介護の時間単位が20分刻みになり、ヘルパーと利用者にしわ寄せが。20分では十分なサービスは無理、最低1時間は必要。ヘルパーの賃金・労働条件も悪化。ヘルパーの「分給」募集まで出現ー労働基準法違反ではないか。福島からの参加者は、訪問の移動距離が長く、時間とガソリン代の負担がすごい。なのに介護報酬は都会よりずっと低い、やっていけない、ものすごい矛盾を感じると怒りの訴え。
◆処遇改善加算金はパートや登録ヘルパーなど平等に支給されていない現場が多い。使用者は雇用形態に関わりなく全ての介護労働者に、賃金として、公平に分配しなければならない制度に改善すべき。税金で10万円賃上げできる処遇改善をしなければ人手不足は解消しない。
◆介護報酬削減は中小介護事業所の倒産に繋がること。
◆障害福祉サービス利用者が、65歳になった時、自治体によっては、一律で介護保険移行が進められていること。「それまでの生活が続けられるように従前の障害福祉サービスの必要な部分は継続できる」という周知が、利用者本人、サービス事業者への周知が十分ではないこと。
厚労省としても、事務連絡で出しているが、知らない自治体がいることについても、当事者や現場との陳情の場で聞いている。虐待通報についても、厚労省としてはしっかりやりたいなど。
その他、もろもろ、二時間半に渡り現場の声を伝えました。
厚労省各担当者は、介護現場からの声が一応は届いているようで、介護保険改正案の問題点を理解してるように思いました。また、NHK で放送された、大阪府大東市の新総合事業に関する番組「クローズアップ現代プラス」も、厚労省担当者は見ていると話てました。「ヘルパーを使って5年後に寝たきりになる」という大東市のパンフレットを見せると、担当者は「おかしい」と話していました。
なかなか、すぐに成果は出ません。でも全国の介護現場から声を上げることで、制度を作る担当者へ、少しは届いていると思いました。何より全国の介護関係者が繋がる可能性を実感しました。今後も継続的にやっていきましょう!
※感謝:福島みずほ議員の協力で、厚労省交渉が行うことができました。本当にありがとうございました!
※当日、交渉会場の手違いがあり、御迷惑おかけしたこと深くお詫び申します!
以下から写真など見れます!
http://ameblo.jp/yamakiunion/entry-12332380188.html
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